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また、88年には西オーストラリア州のケマートンにシリコン工場(年間生産能力24,300トン)が新たに建設され稼働した。
石油の生産は、外国の資本・技術の参加もあって、内陸各地、パス海峡、バロー島(西オーストラリア州西岸の沖合)、チモール海などでの発見が相次ぎ、現在では内需の約70%を満たすまでに至っている。
オーストラリア最大の外貨獲得源である石炭は、国内消費(アルミナ精錬所の燃料として)ならびに輸出に向け、生産量は著しく伸びている。西オーストラリア州のワゲラップおよびワースレイには、生産能力100万トンのアルミナ精錬所があり、オーストラリアは世界最大のボーキサイトおよびアルミナの生産国となっている。
石炭の生産は、86年の1億5,560万トンから87年には1億8,230トンに増加し、石炭の輸出は9,200万トンを記録し、52億オーストラリアドル(輸出総額の15%以上)の外貨収入を獲得し、米国を抜いて世界第1位の石炭輸出国となった。最大の輸出相手国は日本である。なお、最大の石炭生産州はニュー・サウス・ウェールズ州であったが、87年以降は、クイーンズランド州が第1位を占めている。
天然ガスは、バス海峡および南オーストラリアと西オーストラリアの両州が主要生産地である。
鉄鉱は需要が回復したため、87年の生産は前年を上回る1億37万トン(鉄含有量64%)を記録し、世界第1位のブラジルに次ぐ鉄鉱生産国となった。
87年には、南オーストラリア州中央部のクーバペディ付近でオパールの新鉱床が発見された。現在、オーストラリアは全世界におけるオパール需要の80%を供給している。北部地域では、輸出可能なプラチナの埋蔵が発見されており、この開発によって、オーストラリアは将来、南アフリカからのプラチナ輸入量を縮小できるとしている。

鉱業生産実績

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